最近、ガストーチを使うユーザーが増えています。
キャンプなどのアウトドアで火おこし用、あぶり料理を作る時の調理器具、DIYの道具として、一般的に使用されるようになりました。
市場での需要が高まると供給する側も増えるので、ユーザーにとっては良いことなのですが、実は、近年、ガストーチの事故が急増しているのです。
「独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)」によると、事故の原因として製品の不具合によるものが多くなっているとの見解なのです。
2017年から2021年までの5年間に68件の事故が報告されています。
68件のうち27件は製品の不具合によるもので、さらに、不具合のあった27件のうち20件は輸入品だったとのことです。
ガストーチの輸入品の中には、安全確認が不明な粗雑な作りによる粗悪品が混在しているようです。
粗雑な作りによる粗悪品について、一般ユーザーがガストーチを見て確認できるチェックポイントは、以下の通りです。
・発売元、製造事業者、輸入事業者、問合せ電話番号などが明記されているか?
・ガストーチ(缶)全体からガス漏れによる異音・異臭はしないか?
・接続部に異物が付着していないか?
・使用上の安全表記が記載されてあるか?
・使用上の安全表記が不自然な日本語で理解不能ではないか?
・他の製品と比較して、値段が極端に安くないか?
経済産業省の「製品安全規制の見直し(令和4年3月25日)」という資料によると、ガストーチの安全対策の状況を以下のように報告しています。
◆国内では、安全性向上対策として、一般財団法人日本ガス機器検査協会(JIA)が、「ガストーチ検査規程」※を令和2年11月に制定し、JIAが検査を実施。
(※JIAが行う検査の技術上の基準及び検査の方法等を規定したもの)◆ 国内製造事業者では、出荷台数(年間約70万台※※)のうち、令和4年3月までに台数ベースで81%の製品でJIA検査の受検を予定。
さらに、受検開始時期が確定できていないが受検予定である製造事業者も含めると98%に達する予定であり、対策が進んでいる。
(※※一般社団法人日本ガス石油機器工業会の会員となっている事業者が製造しているカセットボンベ缶接続タイプのガストーチについての出荷台数、受検比率の値)
ということは、一般のユーザーとしては、安全なガストーチの購入を希望する場合、JIAが認証した製品が目安となります。
JIAが認証した製品には、以下の画像のように、本体に「JIA認証」というマークがついています。(「JIA 製品認証の種類とマーク」)
ちなみに、この画像は、我が家で使っているイワタニ製のガス缶です。
また、ユーザー側が使用する際に注意するべき事が1点あります。
それは、「本体を傾けたまま使用しない」こと。
ガストーチは、点火時に傾けると異常燃焼のおそれがあります。使用時の傾きについては、事故防止のため取扱説明書によく目を通しておくことが大切です。
「独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)」では、傾ける角度は45度以内を目安としています。
使用上安心なガストーチを選ぶことにより、DIY、キャンプ、あぶり料理など、最後まで安全に楽しみたいものです。
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